『尿素クリーム』
こんにちは、獣医師の畔柳です。
前回は外皮用薬について、塗ることは意外と難しくない!というお話をさせて頂きました。
今回は、外皮用薬の中でも特に私が大好きな、『尿素クリーム』についてご紹介させて頂きます。
尿素クリームとは、人でもお馴染みの保湿剤で、皮膚の角質層(一番表面にある層)の水分を保持し乾燥を防ぎながら、皮膚を柔らかくする効果(ココがポイント!)があるお薬です。
アトピーを慢性化させてしまうと、今まで掻きむしってきた刺激で皮膚は黒ずみ、分厚く、硬くなってしまいます。要は、角質層でトラブルが起こってしまうのです。
これを、苔癬化(たいせんか)といいます。
こうなってしまうと、飲み薬でアトピー自体の痒みを緩和しても、皮膚の違和感により痒みは残ってしまいます。
私達人が、カサブタのある所をついつい掻いてしまうのと同じですね。
なんとなーく痒い、違和感がある…..苔癬化を起こした皮膚は、これの酷いバージョンかもしれません。
尿素クリームは、こういった苔癬化した皮膚に非常に良く効きます。
使い始めて1〜2週間で皮膚の構造が元に戻り、効果が見られることも多いと感じます。
また、他の外皮用薬と組み合わせたりもできるので、症状の重さによって使い方の工夫ができる、優れ物なのです。
苔癬化した皮膚は放っておくとなかなか治らない上に、飲み薬では痒みをカバーしきれないため、ついつい治療を諦めてしまいがちです。
ですが、尿素クリームを上手く使うことで、諦めることなく治療していくことができるのです。
今回は尿素クリームについてお話させて頂きましたが、この他にも、色んな方法を駆使しながら、動物達の苦痛を取り除けるお手伝いができたら幸いです。
皮膚に関して何かお悩みの患者様がいらっしゃいましたら、いつでもお声がけください!
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【西宮市 開業獣医師会所属】
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