院長の中西大介です。

今回は猫ちゃんの歯の疾患についてお話しさせていただきます。

 

猫ちゃんも歯周病に罹りますが、ワンちゃんの歯周病とは少し異なります。

ワンちゃんの場合は、歯垢が付着しているのを放置しておくとそれがやがて歯石に変わり、そして歯周病へと進行してゆくのが一般的です。

 

もちろん、猫ちゃんでも同じようなプロセスで歯周病になってゆくこともあるのですが、もうひとつの病態として「歯肉口内炎」というものがあります。

これは若い猫ちゃんでもみられることがあり、まず歯肉（歯茎）が赤くなり、それがひどくなると歯茎全体が腫れたり、歯の根元が溶けて歯が折れてしまったりすることもあります。

歯石がそれほどひどく付着していないのにこの状態になることがあり、飼い主様の発見が遅れることが多いです。

炎症が重度になると痛みが出ますから、食べる時に痛がったり、常によだれが出たり、前足で口を掻くような仕草をしたりします。

 

現在の所、猫ちゃんの歯肉口内炎についてはまだはっきりと原因がわかっていませんが、一部では口腔内の細菌に対する過剰な反応ではないかと考えられています。

治療法も確立されておらず、抗生剤、ステロイド、免疫抑制剤や痛み止めなどが使われますが、今のところ最も効果的な治療法は抜歯のようです。

 

当院では猫ちゃんの診察時には必ずお口の中をチェックさせていただくようにしておりますが、ぜひご自宅でも猫ちゃんがリラックスしている時にお口の中を見てあげて下さい。

 

 

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