『保湿剤の使用量②』

こんにちは、獣医師の畔柳です。

今回のテーマは保湿剤の使用量②ということで、前回に引き続き、軟膏タイプ、スプレータイプの保湿剤についてお話したいと思います。

皆さんは軟膏にどんなイメージを持たれていますか？

軟膏はどうしてもベタベタしてしまうので、診療において嫌がられてしまうことも多い外用薬かと思います。

毛のあるわんちゃん、猫ちゃんだと、使用できる箇所も限られてしまうのも事実です。

ですが、軟膏のメリットは実は沢山あるのです。

まずは、なんと言っても保湿力、保護力の高さ！前回ご紹介したローションタイプの保湿剤は、主成分が水であるため、すぐに乾いてしまうという難点がありました。

しかし、軟膏は油が多く入っているため、皮膚をしっかりカバーしてくれるのです。

さらに軟膏は刺激性が少ないため、傷があってもしみにくいという特徴があります。

そんな軟膏の使用量ですが、人差し指の第一関節分の長さで、大体0.5gです。

クリームタイプと同様に、成人の手のひらの面積、約2枚分を塗ることができます。

スプレータイプの保湿剤は、広範囲を一気にカバーでき、毛のある部位にも使用できます。

主成分は水であるため、やはりローションタイプと同じく、一日二回以上の使用が推奨されます。

とても使いやすいタイプではあるものの、アルコールを含む製品も多いので、ニオイを嫌がる子や、使用する時のシュッという音を怖がる子も多いと感じています。

スプレーは製品によって保湿液の広がり方に差があるので、大体の目安にはなりますが、スプレー２プッシュで成人の手のひらの面積、約1枚分をカバーできます。

皮膚から20cmほど離して使用してください。

色々なタイプの保湿剤の使い方についてご紹介してきましたが、如何でしたでしょうか？

保湿を制する者は、痒みを制する！

というとちょっと大袈裟ではありますが、それくらい保湿というのは重要だと感じております。

当院では、保湿剤を選ぶ際に可能な限りご家族のライフスタイルやお好みに沿うよう努めております。

診察室で実際に保湿剤を使ってみて、お家でもできるかどうか、是非試してみてください。

皮膚科診療は毎週金・土曜日の午前中に行なっております。

少しでも気になることがあれば、いつでもお声がけください。

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